写真之介

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2012年 08月 05日

写真について只今の心情 【2007年のものを再録】

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いつのまにかおれの告白は独言になっていた。

そのことに気づいたとき、羞恥心にまみれて長い長いまばたきをした。

やりたいことはなんだったか。

願ってきていたことはなんだったか。

おれは言葉もなく見つめて見つめることを願っていた。

音無し子のおれには見ることがとても大事なことで、

だったら見ているということをまるだしのむきだしにするしかない、と思っていた。

そして見つめさせてくれたことへ対しての

じょぼっとしたものがこもった人さし指をクンッと曲げてシャッタ−を押す。

たしかにいたおめえの姿形を広く知らしめたかった。 

じょうじょうといつまでもいつまでも響くものを、と。

ただただそのことに徹したいと願っていた。

だのに。

なんたるちや。

気づけばおれは屁をひって抜け落ちる頭髪の心配をしてひじきを食するだけのとんまな日々を過ごしてたよー。

しょうもない見栄や傲慢、性欲、虚栄心などにとらわれるあまり、

「鬱悶劣情なんぞ一切ございませんよ、ふるふるふる、ねっ、こうして笑えているでしょう」

なーんてパーフェクトなにんげんを気取ってたー。

ばーか。

小僧が歯茎むきだしたまま笑ってるー。

ぺちゃぺちゃ笑み すこやか笑み エッエッエッ笑み、だらしないほほえみ。

いろいろとすべてをていねいにごまかして、斜に構えていたよー。

しょぼいテクニックでこちょこちょとなーんぞ撮って悦にいってるー。

でもそんなこといつまでも続くわけなくて、

小賢しさとたましいのはなはだしい分裂。

日々を過ごすたびに滑って転んでゴミの山に頭から突っ込んでばかりのような心持ち。

はははははは、すっかり汚辱にまみれちまったわね。

チェッ! どうしようもなく粘っている液体が眼にこびりついてやがる!

おれ、臭ってますね。

銀蝿も喜ぶ生ゴミってかんじだ。

あっ、ぼくのくささのせいであなたのその鼻が、いまにももげそうですよ?

って、きょどきょどきょど、いつまでもくだらないなあ、と思った。

はんぺんに頭ぶつけてひとり痛がってるふりして腐っとるー、となさけなくなった。

だからおれは歩かなくてはならないと思った。

にんげんと向かい合う志しを新たにして、

ニッポン人であると信じようとして、

ぎりぎりぎりぎりぎり 路上を歩き続けようと思った。

光を舐めて陰によりそり、

黒い雨にうたれて虹をあびて海を呑んで風のなかを通って、

にんげんのあそこへ至ろうとする真摯さをまるだしのむきだしにする。

そんなことをちょっとずつ積みかさねるうち汚辱の臭いは薄れるんじゃないの、

と、思った。

鼻毛も驚いて抜け落ちるほど当たり前のことだけど、

やっとのことで、強く、実感をもってそう思えたのだった。

こんなにも時間をかけてようやっと気づくだなんてつくづく、とんまさん。

それでも、あーあ、ちくしょうメ、

どこまでも行けそうだという予感が、

まるで天竺にすらへも辿りつけるんじゃないかという予感が、

何の根拠もこれっぽっちもありゃあしないくせにまったく何もかも惑わせやがる。

おれの眼はなにも観ていない。

愛するものが待っていると信じられるその場へ

ただただ会いに行くだけだった。

見ること 話すこと 感じること 触ること 聴くこと 考えること 撮ること

これらがまったく同質となる境地へ至ろうとすること。

それが写真だと思った。


































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by umideomoukoto | 2012-08-05 11:47 | 写真と言葉 photo & word


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