写真之介

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2010年 11月 20日

「同類」 写真新世紀、公開審査プレゼン内容

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まず障害者を扱った写真の状況に不満がありました。

障害者を被写体とすると、それだけでドキュメンタリー的な形がついて写真としての体裁がたてやすい。

盲者なら盲者だけを撮る、ろう者ならろう者だけを撮る、身体障害ならそれだけを撮る、
というように障害がジャンル分けされていることにきゅうくつさを感じていました。

その狭い世界のままではどんなにいい写真が撮れていても、

普段障害者と接することがない人たちにとっては自分との関わりを見出しにくいと思っています。

そのままだと障害者に対してもっていたイメージをくつがえすことができません。



障害を強調するようなおおげさなものではなく、

ゆっくりと、意識がひらかれてくるような写真がみたかった。

もっとそれぞれの世界に流れる風が欲しかった。



障害者だけではなく、健常者、人種、動物、植物、風景、
あらゆるものが一列となる世界を見せなくてはならなかった。

生命の根本に立ち戻る必要があった。




そして、ひらめいたひとつのイメージ。




いま目の前にひとつのものがいるとします。

それがいるということはどういうことか。

それはかつてふたつのものが共によりそった結果として存在しているということです。

そのふたつのものもまた、その昔、それぞれにふたつのものがいました。

このことはどこまでもさかのぼります。

想像もつかない大きな連なりのもとに、今、ただただ今そこにひとつのものがいる。

このあたりまえのことを徹底して思いあらためる。

生まれて消えていくからこそ、いのちはいのちとつながることを望んでいる。

おれたちはその大きな連なりの流れの結果として今ここにいる。

その意味において、すべては同類となる。




「同類」この考えをもとにして撮影、写真集、展示を組んでいきました。

自分の作品ながらも、写真集と展示を見るたびに、
動物とか人間とか風景とか、そんな言葉の区切りはどうでもよくて、
自分もいのちある「同類」のなかのひとつだという感覚がうまれてきます。

この感じがみなさんにも伝わっているといいな、と思います。



ありがとうございました。




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さて新世紀東京展も残すところあと8日間。

よろしくどうぞ。


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by umideomoukoto | 2010-11-20 21:55 | 写真と言葉 photo & word


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