写真之介

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カテゴリ:写真と言葉 photo & word( 10 )


2016年 04月 01日

「筆談写真」 期間限定販売開始

【期間限定販売】2016.4.1〜5.1

「写訳 春と修羅」1周年記念イベントでの「筆談写真」販売開始しました。期間限定です。
もしお買いくださったら、対面なしの一方的な発信になる分、てっていてきに言葉載せてお送りします。
よろしくどうぞ!

【齋藤陽道オンラインショップ】


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by umideomoukoto | 2016-04-01 18:29 | 写真と言葉 photo & word
2013年 05月 28日

「せかいさがし」別府倫太郎さんとの筆談トーク、文字おこし。

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2013.5.18 齋藤陽道 �別府倫太郎 「せかいさがし」オープニングトーク&スライド
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【司会】
皆さん、大変長らくお待たせいたしました。
本日はご来場ありがとうございます。
今から齋藤陽道さんによるミニトークを開催したいと思います。
よろしくお願いいたします。

《会場/拍手》

【司会】
まずは2人の自己紹介からお願いします。

【齋藤】
なんか新しいかたちだねぇ。ドキドキ。
みなさま、今日はありがとうございます。
齋藤陽道(29)♂です。

【別府】
今日は来ていただいてありがとうございます。
別府倫太郎(10)。

【齋藤】
かっこいい名前だよね。
僕は倫太郎にとてもシンパシーを…、わかる?

【別府】
ううん。

【齋藤】
共感を、覚えるんです。
今年で僕は30歳だけど、
20歳のときに補聴器をつけることを一切やめたんです。
つまり、30-20=10。
聞こえない自分として10歳なんです。

【別府】
ある意味、補聴器を外して自分に会えたから…

【齋藤】
そうなの。自分に戻った。

【別府】
同い年?

【齋藤】
そう!だから同い年として、トークの相手になってもらいたかったんです。
受けてくれて嬉しいです。
あと他に倫太郎に興味を持っているのは、
おばけ・妖怪の存在を感じる、と言ってたこと。
どんな風に感じているの?

【別府】
妖怪は、僕の心ではどこにでもいる気がします。

【齋藤】
このゼロセンターにも?

【別府】
いると思う。

【齋藤】
おぉ…。おれ、まだわかんないや。

【別府】
妖怪は見るというより感じるものだから、
感じないと思っちゃえば、いないと思います。

【齋藤】
人間がいないと妖怪も消えちゃうってこと?

【別府】
そういうこと。

【齋藤】
ほー。

《会場/笑》

【別府】
でも、妖怪を感じることができる生物が出てきたら…。

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【齋藤】
補聴器を使っていたときの小さい僕は、
補聴器の音を聞くことに精一杯で、他の存在の声を聞けなかった。
余裕がなかった。
で、今、聞こえない (普通の) 自分に少しずつ溶解して、
他の声がみえてきたんだ。

【別府】
昔の人はよく妖怪を見たって言うけど、今はあんまり聞きません。
余裕がないというか、
なまけたりするのもいいと思うんですけど…。

【齋藤】
なぁ!…あ、そうか。
"今、聞こえない (普通の) 自分に少しずつ溶解して…"
↑このことって、補聴器の音を聞くのをなまけたからだ。

【別府】
"精一杯" だったから、
補聴器を外して、陽道さんは自分に戻って楽になったんだと思います。
余裕というか。

【齋藤】
倫太郎は、"というか" が書きグセだねぇ!

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【齋藤】
妖怪をもっと信じたいと思って「せかいさがし」の写真を撮ったんだ。
自分という世界 [が] 、
他の存在の世界 [を] 、見つけ出す。
このことは、写真の当たり前のことでもあるね。

【別府】
自分の世界に入る時間がないと、
他の世界も見つけだせないような気がします。
自分の世界を渡って、他の世界に行くというか…。

【齋藤】
おぉ。似てる質問かもしれないけど、妖怪とオバケはちがう?

【別府】
考えたことなかった…。

《会場/笑》

【齋藤】
おれは一緒でしょ?と思ってた。
けど、…まぁどっちでもいいか。

【別府】
あえて言えば、妖怪は感じるもの。

【齋藤】
ほぅ。

【別府】
だけど、オバケは見て怖がるイメージがある。

【齋藤】
おぉ…。そーねー。
今までに出会った中で怖かったオバケは?
おれ、ない。つまんない…。

《会場/笑》

【別府】
病院に入院していた夜…

【齋藤】
それ、何日ぐらい?

【別府】
6ヶ月。

【齋藤】
え?

【別府】
ネフローゼという病気で…。
で、病院に入院していた夜、
ロッカーの隅に大きいクモがはりついていた!
入院していたときは精一杯で、
妖怪の反対のもの…、つまり怖いオバケを見たのかも。

【齋藤】
やだなー。

《会場/笑》

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【齋藤】
自分に余裕がないとオバケ、余裕があると妖怪になる??

【別府】
妖怪とオバケの違いを考えたのは数分前だから、
自分でもよくわかんない。

《会場/笑》

【別府】
けど、どっちにしろ、
その時は余裕がなかったときに見た、オバケか妖怪だった。

【齋藤】
"余裕" 。これ、キーワードだね。
この話を聞いて、
これからの写真は、オバケと妖怪を分けて撮れそうだ。

【客席】
おぉ…!

《会場/笑》

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【齋藤】
2階の展示写真で「不思議だな」と思ったものはありました?

【別府】
なんて言えばいいんだろう…。
白い妖怪がいる写真。

【齋藤】
妖怪…。

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【別府】
なんか、みるからに不思議なんだもん。

【齋藤】
ネタバレとかじゃないけど…
あの写真は、単に友達が白い布を被って、ぷわーって回っただけ。
だけなんだけど…
あの瞬間に、たしかに不思議な、わけのわからないものがいたのも確か。

【別府】
白い布を被ったんじゃなくて、妖怪に変身したんじゃない?

《会場/笑》

【齋藤】
変身…。
ピシッと考えているときと、ボーッとしているとき。
この間のときに、オバケが急に現れる感じ…。

【別府】
そうです。その感じ。
妖怪のことを真面目に考えたのは数分前でしたが、
なんとなくわかってきました。

【齋藤】
天才だねぇ。これは…。

《会場/笑》

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【齋藤】
"ボーッとしているとき。この間のとき…"
いつもこのことを考えてて、
スライドもそういう風に作ってあるんです。

【別府】
スライドは、写真と写真が重なりあうときがあるけど、
↑そのときの瞬間と同じような気がします。

【齋藤】
スライド見よう!だいたい8分ぐらいです。


[せかいさがし スライド] (約8分)

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【齋藤】
終わりです。

《会場/拍手》

【齋藤】
ちなみにスライドは、今は明るいのでホントではないです。
パーティーのときに外で上映するので、
暗くなったらまた見てください。

【客席】
おぉ…!

【齋藤】
妖怪は暗くないとね…。

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Q&A
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【司会】
皆さん、狭い中見てくださって、ありがとうございました。
では、これから質疑応答に入りたいと思います。
齋藤さんでも倫太郎くんでも、どちらでも大丈夫です。
トークの内容でも作品についてでも、何か質問のある方…。

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【質問1】
倫太郎くん。
今は明るかったけど、スライドから妖怪を感じましたか?

【齋藤】
こわ…。

《会場/笑》

【別府】
妖怪というか、
ピシッてきたものと、ボーッとしたものの間の感じはありました。
つまり、妖怪を…

【齋藤】
妖怪そのものを見せるスライドじゃなくて、
妖怪を見られるようにするための感覚を
ウォーミングアップのためのスライド。…かなぁ。

【別府】
それを書こうとしていました。
まったく同感。
だから「見た?」って聞かれると、難しい…。

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【質問2】
私も妖怪を見たことがあります。

【齋藤】
おぉ。

【質問2】
小さな恐竜が、荷車みたいなのを引っぱって歩いてた。

【客席】
すごーい!

【齋藤】
いくつのとき?

【質問2】
20歳のとき。今30歳です。

【齋藤】
肉食系?草食系?

【質問2】
草食系。

《会場/笑》

【質問2】
倫太郎くんは、どんな妖怪を見たことがありますか?

【齋藤】
ん?…あ、そっか。
さっきのクモは、オバケか。

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【齋藤】
こわっ!目が歩いてたとか?

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《会場/笑》

【別府】
目が張り付いていた。障子に目あり。

《会場/笑》

【齋藤】
怖かった?

【別府】
そこそこ怖い。

【質問2】
これは足ですか?

【齋藤】
目?口?ベロ?

【別府】
絵が上手くなくてすいません…。

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【別府】
そうそうそう。

【齋藤】
名前なんだろうね?

【別府】
妖怪図鑑に似たようなものが載ってた。
名前は "べとべとさん" 。

【齋藤】
すげー!メジャーじゃん。

《会場/笑》

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【質問3】
僕は2人とも…
ある意味、良い妖怪と思っているのですが、
お互いに名前を付けるとしたら、何て名前を付ける?

【齋藤】
うーん…。
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【別府】
陽道さんは、いろんな妖怪がミックスされてるのかも。
いろんな妖怪の世界を持ってる。

【齋藤】
おぉー。

【質問3】
Oh~。ありがとうー。

《会場/笑》

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【司会】
…はい。ありがとうございました。
じゃあ最後に、齋藤陽道さんと倫太郎くんから、何か一言ずつ…。

【齋藤】
一言…。
妖怪を見るための感覚と写真…。
わけのわからない写真を撮るときの感覚は、
やっぱりとても似ているなって思いました。

【別府】
今回の妖怪話があまりにもおもしろかったので、
陽道さんと2人で妖怪学校を開校することを考えています。

《会場/笑》

【別府】
今日は本当にありがとうございました。

【齋藤】
ありがとうございました。

《会場/拍手》

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【司会】
ありがとうございました。
皆さん、良かったらこの後パーティーをやりますので、
ぜひご参加ください。
飲み物と食べ物がちょっとずつあります。
その前に、宣伝を色々とさせてください。
今、この会場の1階で展示している『点滴ポール』という作品は、
6月20日に詩集として発売されます。
その詩集の予約を、この会場で承っています。
ここで予約をすると特典が付きます!
特製ポストカードと、齋藤さんのサインが付きますので、
皆さん、良かったらぜひ!
それとこちらは皆さんもご存知かと思うんですけど、
齋藤陽道さんの写真集『感動』。
この会場で買うと150円安いです!

《会場/笑》

【司会】
齋藤さんにサインとイラストを描いていただけますので、
良かったらぜひ。
もうひとつ。25日にやる「チャンネル」というイベント。
ご存知の方もいると思いますが、
齋藤さんが撮影した写真を投影して、
その前に立っていただいて、齋藤さんが更に撮影する…。
で、そのプリントをお持ち帰りいただけます。
参加費は3,800円。事前予約も受け付けています。
当日参加もOKですので、良かったらぜひ。
…はい、すいません。堅苦しい話はここまで。
じゃあ、これからパーティーに移らせていただきます。

《会場/拍手》
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by umideomoukoto | 2013-05-28 23:45 | 写真と言葉 photo & word
2012年 08月 05日

写真について只今の心情 【2007年のものを再録】

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いつのまにかおれの告白は独言になっていた。

そのことに気づいたとき、羞恥心にまみれて長い長いまばたきをした。

やりたいことはなんだったか。

願ってきていたことはなんだったか。

おれは言葉もなく見つめて見つめることを願っていた。

音無し子のおれには見ることがとても大事なことで、

だったら見ているということをまるだしのむきだしにするしかない、と思っていた。

そして見つめさせてくれたことへ対しての

じょぼっとしたものがこもった人さし指をクンッと曲げてシャッタ−を押す。

たしかにいたおめえの姿形を広く知らしめたかった。 

じょうじょうといつまでもいつまでも響くものを、と。

ただただそのことに徹したいと願っていた。

だのに。

なんたるちや。

気づけばおれは屁をひって抜け落ちる頭髪の心配をしてひじきを食するだけのとんまな日々を過ごしてたよー。

しょうもない見栄や傲慢、性欲、虚栄心などにとらわれるあまり、

「鬱悶劣情なんぞ一切ございませんよ、ふるふるふる、ねっ、こうして笑えているでしょう」

なーんてパーフェクトなにんげんを気取ってたー。

ばーか。

小僧が歯茎むきだしたまま笑ってるー。

ぺちゃぺちゃ笑み すこやか笑み エッエッエッ笑み、だらしないほほえみ。

いろいろとすべてをていねいにごまかして、斜に構えていたよー。

しょぼいテクニックでこちょこちょとなーんぞ撮って悦にいってるー。

でもそんなこといつまでも続くわけなくて、

小賢しさとたましいのはなはだしい分裂。

日々を過ごすたびに滑って転んでゴミの山に頭から突っ込んでばかりのような心持ち。

はははははは、すっかり汚辱にまみれちまったわね。

チェッ! どうしようもなく粘っている液体が眼にこびりついてやがる!

おれ、臭ってますね。

銀蝿も喜ぶ生ゴミってかんじだ。

あっ、ぼくのくささのせいであなたのその鼻が、いまにももげそうですよ?

って、きょどきょどきょど、いつまでもくだらないなあ、と思った。

はんぺんに頭ぶつけてひとり痛がってるふりして腐っとるー、となさけなくなった。

だからおれは歩かなくてはならないと思った。

にんげんと向かい合う志しを新たにして、

ニッポン人であると信じようとして、

ぎりぎりぎりぎりぎり 路上を歩き続けようと思った。

光を舐めて陰によりそり、

黒い雨にうたれて虹をあびて海を呑んで風のなかを通って、

にんげんのあそこへ至ろうとする真摯さをまるだしのむきだしにする。

そんなことをちょっとずつ積みかさねるうち汚辱の臭いは薄れるんじゃないの、

と、思った。

鼻毛も驚いて抜け落ちるほど当たり前のことだけど、

やっとのことで、強く、実感をもってそう思えたのだった。

こんなにも時間をかけてようやっと気づくだなんてつくづく、とんまさん。

それでも、あーあ、ちくしょうメ、

どこまでも行けそうだという予感が、

まるで天竺にすらへも辿りつけるんじゃないかという予感が、

何の根拠もこれっぽっちもありゃあしないくせにまったく何もかも惑わせやがる。

おれの眼はなにも観ていない。

愛するものが待っていると信じられるその場へ

ただただ会いに行くだけだった。

見ること 話すこと 感じること 触ること 聴くこと 考えること 撮ること

これらがまったく同質となる境地へ至ろうとすること。

それが写真だと思った。


































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by umideomoukoto | 2012-08-05 11:47 | 写真と言葉 photo & word
2012年 05月 04日

腹の白い猫

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あそこの石像は幾百年前に
ただの岩からひとの形へと彩られるとき
いちどだけ、
空を見たことがありました。


のんとろりとなにもない石像の面に
いよいよまなこがうがたれた
あの時、
空を雲をとうめいを
がつがつ輝く太陽を
見ました。

両眼を立派に見ひらく石像は
世界を遠く見すえることのできない
森の奥へ置きざりにされました。

つらつらり や つらつらり

落ち葉が石像のまなこをふさぎます。
腐った供物にもふりそそぎます。

白と茶と赤の花びらが、
くっきり季節のゆきつく果てへ
渦を巻いてゆきながらも
またやってきます。
またやってきます。


やがて屍体も不足しはじめた年の夕暮れに、
いっぴきの猫が石像の呼吸を聴きつけました。


猫の眼は緑で、
毛は白く、
右足の小指にはえている爪だけが
全身の血がつどったような、
しゃくねつ色でした。


カルカルカルカル
石像のほおをひっかく猫。
カルカルカルカル
石像のくちびるをひっかく猫。
カルカルカルカル
ひっかきながら猫はないている。


だれがわたしの毛を愛でてくれるのでしょう
だれがくちづけを交わしてくれるのでしょう



石像はつるつるの静寂のまま
猫の白い腹を見ていた。




ああ、
幾百年前に見た
雲よりも白い。


見ろ、



なんと、
じゅんぱくで
なやましい。





石像はいのった、
もういちどだけからだのじゆうを、と。





時間は
猫を土くれへと還した。

時間のやさしさに
石像はけずってくだかれて
石ころに還った。






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by umideomoukoto | 2012-05-04 23:03 | 写真と言葉 photo & word
2011年 09月 27日

只今の唄

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大河のほとりで少女と少年はであった

ふたりはおたがいの眼を見すえて
なにものも至りえない永劫の瞬間のうち
いっさいがっさいのなにもかもを
ほんとうに共有しあったふたり

言葉もなく同時に笑いあう

うそのようだ、と思って
ゆめのようだ、と思いながら
ばかのようだ、とも思い
ふたりは強く手をつないだ


少年とよく似ているまなざしの少女
「光をもてあそぶようなことはしちゃだめなのよ」
少女はけもののように顔をしかめた

少女とはちがう肌色の少年
「でも世界は白くて、まるで白くて、うそっぱちだらけだ」
少年は嬉しそうに顔をしかめた


ふたりは大河のほとりで渡し舟をみつけた
にこにこと舟にのる無邪気


舟は風に揺られて大河のまんなかへ流されてゆく

少年は少女を 少女は少年を
お互いのまなざしをいまいちど受けとめて おどろいた


「ああ、こわい。こわいなあ。

 ここは、ほんとうに、ほんとうに、ぼくたちだけだよ」



少女は姿勢をただして声をだしはじめる

「あ・あぁー、あじぁーうあー、ばうぁー」

なんどもなんども声をならした


日が暮れ 星が 月が 闇が 少女が 唄う


けっしてきれいな声ではない
にごりどもっている ぎざぎざな声

その声には
おそろしいほどの誠実がこもっていた

ポンコツの声を
でたらめの幽玄な声を
ひとこと ひとこと ひとこと
ていねいに積みかさねて
世界の空白を埋めようとするような声だった


あたたかくもおそろしい闇にくるまれて
漆黒の水を切りさいて進む舟

長い髪をなびかせて
空に声をなげつける
ちっちゃな黒のかたまり

きみはだれだったろう と 少年は
訪ねようと





瞬間





少女のつみかさねてきた声たちが 音に 変貌した


にぶい声がうねり渦をまいて爆発




声が流転する



それは遠くで待っているあのひとを思い出させるようで

それでもなにも思い浮かぶことがない

ただただ純粋な 音楽 だった




少年は清れつな鳥肌を感じた

これが そうだった

あのことはこのことだった

ああ たまらない なんて たまらない

この音楽は

はたしてこの大空のどの高さまでとどろくのか

はたしてこの大河のどの深さまでもぐっていけるのか



水面からカエルがぬくりと顔をみせた
魚がはねた
鳥がさけんだ
街の光がすべて消えた
風が凪いだ
河が笑った


ただひとつだけの少女の旋律


少年はうっとりと聴きいる




ふたりの頭上にのぼる満月は
ごんごんと野蛮にかがやいている




少年の耳にすいこまれる音楽はやがて空から降る
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by umideomoukoto | 2011-09-27 00:05 | 写真と言葉 photo & word
2011年 07月 25日

無上の子

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みかん色の中にいる子。

こはく色を秘める子。

ひまわり色と共有の子。

さんご色に光っている子。

そら色とからみあっている子。


いろいろいろいろな色をしている子たちがいるね。


そんななかのあの子。

ひとつの色におさまらない、
あまたの色をつつんでいる無上の色のあの子。



あの子を見つけたぼくの眼と、


あの子の輝きをごらんよ。



ほんとうに


ほんとうに



すてきだろう。
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by umideomoukoto | 2011-07-25 17:05 | 写真と言葉 photo & word
2011年 04月 07日

くらやみの旋律

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ぼくはたいへんよくできません子です


あきれちゃう


じぶんの身をまもることばかりの
しみったれた知恵ばかりつまっている
ぼくのずがい骨のなかの脳みそ


あきれちゃう


いちげんさんおことわりを
ついつい言ってしまうぼくのお肉とこころ
それなのに からっけつのさびしんぼう


あきれちゃう あきれちゃう


なんにもわからないことだらけ
でも おなか空いたしね
つかれたしね ぼくのせいじゃないもんね
ってわからないことから全力で目をそらしてた


ほんとあきれちゃう


ぼくは責任ってものから 強く けなげに まっしぐらに

逆走して

じぶんのことだけにかまけていました






チャチャチャチャチャチャチャチャチャチャチャチャチャチャ




檸檬がとてもすっぱかったある日

ぽこんと落ちたその先では

強いひかりがまたたいて またたいて またたいて またたいていました

またたきは尽きることなくまたたきつづけていました

またたきは つめたく たかく あらあらしく ぜんぶを つつみこんでいました







やがて ちっちゃなかわいい亀が

たいへんよくできません子なぼくの靴をひっぱって

うすぐらい森のなかの 道ともいえない道をとおって

ゆっくり たっぷり 時間をかけて

ざらざらな町へとつながる道を教えてくれました






わあ わあ わあ わあ うわあ

くらやみがすわりこむざらざらな町では

ただきれいなだけのものがとてもばかのように見えます




きれいだとおもっていたもののかがやきが

くらやみのゆらぎにすっかりのまれてしまっています




まるきりうそばかりでした




でも

それでも

それでもそれでもそれでも 立つものがありました

それでも ひかりのままであろうとするものがありました



くらやみのゆらぎとあいまって

みごとなハーモニーをかもしだしている

ほんとうにきれいなものがありました




くらやみにのまれてしまったこの期におよんだからこそ

うそばかりのかがやきにまみれていたときより 

だから やっと ついに とうとう 見ることができました




チャチャチャチャチャチャチャチャチャチャチャチャチャチャ




なんだかなにもかもがすべて

のんびりやさんすぎた



でもついに見えたあのきれいなものは あんまりにも



あんまりにも



ごはんがとてもおいしくてたまらなかった日のようで

つるつるとしなやかでとうめいな猫のようで

かっこよく海をはねてゆくイルカのようで

ぽろんとうまれた日のようで



きれいなあれは だから



だから



ほんとう に ほんとう に きれい です



くらやみの旋律が果たすものについて

たいへんよくできません子なぼくは

そう思った






ぼくは あのきれいなものに もどらなくちゃならない









チャチャチャチャチャチャチャチャチャチャチャチャチャチャ
















ほんとそうなんですよ


















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by umideomoukoto | 2011-04-07 23:14 | 写真と言葉 photo & word
2010年 11月 20日

「同類」 写真新世紀、公開審査プレゼン内容

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まず障害者を扱った写真の状況に不満がありました。

障害者を被写体とすると、それだけでドキュメンタリー的な形がついて写真としての体裁がたてやすい。

盲者なら盲者だけを撮る、ろう者ならろう者だけを撮る、身体障害ならそれだけを撮る、
というように障害がジャンル分けされていることにきゅうくつさを感じていました。

その狭い世界のままではどんなにいい写真が撮れていても、

普段障害者と接することがない人たちにとっては自分との関わりを見出しにくいと思っています。

そのままだと障害者に対してもっていたイメージをくつがえすことができません。



障害を強調するようなおおげさなものではなく、

ゆっくりと、意識がひらかれてくるような写真がみたかった。

もっとそれぞれの世界に流れる風が欲しかった。



障害者だけではなく、健常者、人種、動物、植物、風景、
あらゆるものが一列となる世界を見せなくてはならなかった。

生命の根本に立ち戻る必要があった。




そして、ひらめいたひとつのイメージ。




いま目の前にひとつのものがいるとします。

それがいるということはどういうことか。

それはかつてふたつのものが共によりそった結果として存在しているということです。

そのふたつのものもまた、その昔、それぞれにふたつのものがいました。

このことはどこまでもさかのぼります。

想像もつかない大きな連なりのもとに、今、ただただ今そこにひとつのものがいる。

このあたりまえのことを徹底して思いあらためる。

生まれて消えていくからこそ、いのちはいのちとつながることを望んでいる。

おれたちはその大きな連なりの流れの結果として今ここにいる。

その意味において、すべては同類となる。




「同類」この考えをもとにして撮影、写真集、展示を組んでいきました。

自分の作品ながらも、写真集と展示を見るたびに、
動物とか人間とか風景とか、そんな言葉の区切りはどうでもよくて、
自分もいのちある「同類」のなかのひとつだという感覚がうまれてきます。

この感じがみなさんにも伝わっているといいな、と思います。



ありがとうございました。




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さて新世紀東京展も残すところあと8日間。

よろしくどうぞ。


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by umideomoukoto | 2010-11-20 21:55 | 写真と言葉 photo & word
2010年 08月 30日

モンスター が あらわれた !

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 ゴーストガガーリン が あらわれた!



 ゴーストガガーリン は ねむっている




【コマンド?】
>たたかう
 にやにやする
 にげる



 たかおう は みがまえた!


 たかおう は ようす を うかがっている


 ゴーストガガーリン は きもちよさそう に ねむっている 





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 たかおう HP168 MP105 LV25
 
【コマンド?】
 こうげき
>ひっさつ
 ぼうぎょ
 にやにやする
 にげる


【ひっさつ?】
 ドーン・オブ・ザ・ミツル MP3
 (ミツル が 光臨して すぐ にげる。
  てき が おどろく。 ボス には きかない)

 ワンツーパンチ MP15
 (ボクシング の きほん。 するどい パンチ。)
 
 ドーン・オブ・ザ・ヒノミチ MP20
 (ヒノミチ が 光臨して ペンタックス67 で てき を なぐる。
  ペンタックス67 は こわれない)
  
>ドーン・オブ・ザ・ギャラクシー・かわいい おんな の 子 パンチ MP90
 (ギャラクシー・かわいい おんな の 子 が 光臨して パンチ を うつ。
  すごい とても すごい とても)



 たかおう は 「ドーン・オブ・ザ・ギャラクシー・かわいい おんな の 子 パンチ」 を となえた



 うちゅう の ほうそく が みだれる!



 ゴーストガガーリン は めがさめた





 ギャラクシー・かわいい おんな の 子 が もじもじ てれながら 光臨 した





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かわいい かわいい とても かわいい とても


ゴーストガガーリン は おびえ とまどっている






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ギャラクシー・かわいい おんな の 子 は げきど した


げきど しても かわいい かわいい とても かわいい とても







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ギャラクシー・かわいい おんな の 子 は すさまじい パンチ を くりだした!


ちきゅう の はんぶん が なくなった


ゴーストガガーリン は 59778 の ダメージ を うけた


ゴーストガガーリン は くるしそう だ





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ギャラクシー・かわいい おんな の 子 は うふふ あはは ちゃは と てれた



もじもじ しながら うちゅう に かえった



さいご まで かわいい かわいい とても かわいい とても



ありがとう さよなら ギャラクシー・かわいい おんな の 子 


ありがとう さよなら ギャラクシー・かわいい おんな の 子







 たかおう HP168 MP15 LV25

【コマンド?】
 こうげき
>ひっさつ
 ぼうぎょ
 にやにやする
 にげる


>ワンツーパンチ MP15
 (ボクシング の きほん。 するどい パンチ。)



 たかおう は ワンツーパンチ を くりだした!




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 ワン・パンチ が あたった!


 ゴーストガガーリン は へいき な かお を している



 ゴーストガガーリン は むしろ びっくり している





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 ツー・パンチ が あたった!



 ゴーストガガーリン の ちょっと いたい ところ に あたった!


 かいしん の いちげき!


 ゴーストガガーリン に 4 の ダメージ を あたえた



 ゴーストガガーリン は むかっ と した




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 ゴーストガガーリン は めにもとまらぬ はやさ で しょっかく を ふりまわした!

 

 つうこん の いちげき!


 たかおう は 492 のダメージ を くらった

 
 たかおう の 歯 が 7本 うしなわれた


 たかおう の ひげ が 38本 ちぎれた


 たかおう の IQ が 17 さがった





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 たかおう HP0 MP15 LV25



 たかおう は ぜんめつ した・・・




 
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 ひかりのおうさま

 「おお たかおう よ しんで しまう とは なさけない」


 


 むらびとA
 「ここ を 北 に いくと サラハラドルムーン の まち が ある よ」





 むらびとB
 「セーブ の やりかた は わかります か?」

 はい
>いいえ

 「ひかり の おうさま に むかって Yボタン を おす と できるよ」





 むらびとC
 「へい らっしゃい てつ の かま は 2740えん だよ。 かう かい?」

>はい
 いいえ

 「おや おかね が たりない ようだな。 ひやかし は おことわり だよ」




 たかおう の ぼうけん は まだ はじまった ばかり で ある・・・






TAKAOU FANTASY Ⅳ
〜 幻のなめたけ と 悪霊のもんじゃ焼き 〜

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by umideomoukoto | 2010-08-30 00:25 | 写真と言葉 photo & word
2010年 07月 17日

ユーモア


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ユーモアがないとおれはちょっと生きてゆくことができないんですね
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by umideomoukoto | 2010-07-17 00:12 | 写真と言葉 photo & word