写真之介

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2011年 09月 27日

只今の唄

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大河のほとりで少女と少年はであった

ふたりはおたがいの眼を見すえて
なにものも至りえない永劫の瞬間のうち
いっさいがっさいのなにもかもを
ほんとうに共有しあったふたり

言葉もなく同時に笑いあう

うそのようだ、と思って
ゆめのようだ、と思いながら
ばかのようだ、とも思い
ふたりは強く手をつないだ


少年とよく似ているまなざしの少女
「光をもてあそぶようなことはしちゃだめなのよ」
少女はけもののように顔をしかめた

少女とはちがう肌色の少年
「でも世界は白くて、まるで白くて、うそっぱちだらけだ」
少年は嬉しそうに顔をしかめた


ふたりは大河のほとりで渡し舟をみつけた
にこにこと舟にのる無邪気


舟は風に揺られて大河のまんなかへ流されてゆく

少年は少女を 少女は少年を
お互いのまなざしをいまいちど受けとめて おどろいた


「ああ、こわい。こわいなあ。

 ここは、ほんとうに、ほんとうに、ぼくたちだけだよ」



少女は姿勢をただして声をだしはじめる

「あ・あぁー、あじぁーうあー、ばうぁー」

なんどもなんども声をならした


日が暮れ 星が 月が 闇が 少女が 唄う


けっしてきれいな声ではない
にごりどもっている ぎざぎざな声

その声には
おそろしいほどの誠実がこもっていた

ポンコツの声を
でたらめの幽玄な声を
ひとこと ひとこと ひとこと
ていねいに積みかさねて
世界の空白を埋めようとするような声だった


あたたかくもおそろしい闇にくるまれて
漆黒の水を切りさいて進む舟

長い髪をなびかせて
空に声をなげつける
ちっちゃな黒のかたまり

きみはだれだったろう と 少年は
訪ねようと





瞬間





少女のつみかさねてきた声たちが 音に 変貌した


にぶい声がうねり渦をまいて爆発




声が流転する



それは遠くで待っているあのひとを思い出させるようで

それでもなにも思い浮かぶことがない

ただただ純粋な 音楽 だった




少年は清れつな鳥肌を感じた

これが そうだった

あのことはこのことだった

ああ たまらない なんて たまらない

この音楽は

はたしてこの大空のどの高さまでとどろくのか

はたしてこの大河のどの深さまでもぐっていけるのか



水面からカエルがぬくりと顔をみせた
魚がはねた
鳥がさけんだ
街の光がすべて消えた
風が凪いだ
河が笑った


ただひとつだけの少女の旋律


少年はうっとりと聴きいる




ふたりの頭上にのぼる満月は
ごんごんと野蛮にかがやいている




少年の耳にすいこまれる音楽はやがて空から降る
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by umideomoukoto | 2011-09-27 00:05 | 写真と言葉 photo & word
2011年 09月 04日

おやおや、いつのまにか28歳のようだね。きゃあっ。がるるっ。

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なんとなくいとおしくてけっこうぐーるぐるしててちょっぴりどきどきでそんなかんじで、はー、きのう28歳。

いまだにろくでなしから脱しきれず、唸る日々ではあるけれど。

履物は波打ちぎわにそろえておいてあるから、まあいいか。

なんとなれども歩ければとりあえずそれでいいよね、と思いながら、よろしくどうぞ。
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by umideomoukoto | 2011-09-04 22:43 | 日常 DIARY